○海津市消防本部応急手当の普及啓発に関する実施要綱
平成17年3月28日
消防本部訓令甲第9号
第1 趣旨
この訓令は、海津市消防本部救急業務規程(平成17年消防本部訓令甲第7号)第29条に規定する管内一般住民等(以下「一般」という。)に対する応急手当に関する知識及び技術の普及啓発(以下「普及業務」という。)の実施に関し必要な事項を定めるものとする。
第2 定義
この訓令における用語の意義は、次のとおりとする。
1 一般救急員
傷病者に対し、心肺蘇生法、大出血時の止血法等の適切な応急手当を確実に行うことができる者として消防長が認定した者
2 応急手当指導員
第4に規定する普通救命講習又は上級救命講習の指導にあたる者として消防長が認定した者
3 応急手当普及員
デパート、旅館、ホテル又は駅舎等多数の者の出入りする事業所(以下「事業所」という。)の従業員又は自主防災組織その他の消防防災に関する組織(以下「防災組織等」という。)の構成員のうちで、当該事業所の従業員又は当該防災組織等の構成員に対して普通救命講習の指導にあたる者として消防長が認定した者
第3 普及業務は、次に掲げる事項により推進するものとする。
1 一般救急員の養成
2 応急手当指導員及び応急手当普及員(以下「指導員等」という。)の養成
3 応急手当指導員の派遣
4 前記1及び2に係る講習以外の応急手当に関する講習(以下「その他の救急講習」という。)の実施
5 消防関係行事における応急手当に関する広報等
第4 一般救急員の養成
1 消防長及び署長は、一般救急員を養成するために普通救命講習及び上級救命講習(以下「救命講習」という。)を実施する。
3 救命講習の実施要領は、署長が別に定める。
第5 修了証の交付
2 署長は、普通救命講習又は上級救命講習を実施したときは、様式第9号に定める修了証交付申請書に修了者名簿を添えて消防長に提出するものとする。
第6 指導員等の養成
1 消防長は、指導員等を養成するために応急手当指導員講習及び応急手当普及員講習(以下「指導員等講習」という。)を実施する。
3 指導員等の講習の実施要領は、署長が別に定める。
第7 指導員等の認定
1 応急手当指導員の認定
応急手当指導員は、次に掲げるもののうちから適任と認められる者について、消防長が認定する。
(1) 次のア又はイに該当する者で別表第3に定める応急手当指導員講習Ⅰを修了した者。ただし、アに該当する者で応急手当指導員の資格認定を行う時点において、過去1年間に30時間以上の普及業務に従事していると認める者については、応急手当指導員講習Ⅰを免除することができる。
ア 救急救命士又は救急隊員の資格を有している者
イ 消防機関在職中に救急隊員の資格を有していた者
(2) 前記(1)以外の消防職員(普及業務に関し、消防職員と同等以上の知識及び技術を有すると認める消防団員を含む。)又は消防職員であった者で別表第4に定める応急手当指導員講習Ⅱを修了した者
(3) 応急手当普及員の資格を有する者で別表5に定める応急手当指導員講習Ⅲを修了した者
(4) 普及業務に関し、前記(1)から(3)までに掲げるものと同等以上の知識及び技術を有すると消防長が認める者
2 応急手当普及員の認定
応急手当普及員は、次に掲げるもののうちから適任と認められる者について消防長が認定する。
(1) 別表第6に定める応急手当普及員講習Ⅰを修了した者
(2) 次のア、イ又はウに該当する者で別表第7に定める応急手当普及員講習Ⅱを修了した者。ただし、ア又はイに該当する者で過去2年間以内に消防機関に在職し普及業務に従事していたと認める者については、応急手当普及員講習Ⅱを免除することができる。
ア 救急救命士の資格を有する者
イ 消防機関在職中に応急手当指導員の資格を有していた者
ウ 消防機関在職中に救急隊員の資格を有していた者
(3) 普及業務に関し、前記(1)又は(2)に掲げるものと同等以上の知識及び技術を有すると消防長が認める者
第8 認定証の交付
第9 資格の有効期限
2 応急手当指導員再講習及び応急手当普及員再講習の実施要領は、署長が別に定める。
第10 認定の取消し
消防長は、指導員等が普及業務を実施する上において、指導員等としてふさわしくない行為を行ったと認めるときは、認定を取り消すことができるものとする。
第11 応急手当指導員等の責務
1 応急手当指導員は、救命講習が計画的かつ効果的に行えるよう、応急手当に関する知識、技術、指導方法等について、常に自己研鑚に努めるものとする。
2 消防長及び署長は、指導員等に対し、応急手当の知識及び技術の維持並びに救急医療の進歩に合わせた普及業務に十分に対応できるよう、適宜再教育を行えるように配慮するものとする。
3 消防長及び署長は、指導員等に対し、適宜講習内容、講習方法等について必要な助言を与え、当該講習が適正に行えるように指導するものとする。
4 署長は、応急手当普及員が事業所又は防災組織等において実施した普通救命講習の実施状況について把握するよう努めるものとする。
第12 その他の救急講習
1 署長は、一般等から要請があるとき、又は必要と認めるときは、救命講習のカリキュラムに準じて、その他の救急講習を実施するものとする。
2 署長は、その他の救急講習を実施したときは、海津市消防本部救急業務実施要綱(平成17年海津市消防本部訓令甲第8号)様式第3号により遅滞なく消防長に報告するものとする。
第13 感染防止
消防長及び署長は、各種講習の実施にあたっては、資器材の消毒、滅菌等の感染防止に留意するものとする。
第14 関係機関との連携
消防長及び署長は、普及業務が効果的に行えるように普及業務を実施している他の関係機関との連携協力に努めるものとする。
附則
この訓令は、平成17年3月28日から施行する。
別表第1(第4関係) 普通救命講習Ⅰ
1 到達目標 | 1 心肺蘇生法一人法及び大出血時の止血法が、救急車が現場到着するのに要する時間程度できる。 2 自動体外式除細動器(AED)について理解し、正しく使用できる。 |
2 標準的な実施要領 | 1 講習については、実習を主体とする。 2 1クラスの受講者数の標準は、30名程度とする。 3 訓練用資機材一式に対して受講者は5名以内とすることが望ましい。 4 指導者1名に対して受講者は10名以内とすることが望ましい。 |
項目 | 細目 | 時間(分) | ||
応急手当の重要性 | 応急手当の目的・必要性等 | 15 | ||
救命に必要な応急手当(成人に対する方法) | 心肺蘇生法 | 基本的心肺蘇生法(実技) | 意識の確認、通報、気道確保要領 | 165 |
呼気吹き込み人工呼吸法 | ||||
循環のサインと心臓マッサージ要領 | ||||
シナリオに対応した心肺蘇生法(一人法) | ||||
AEDの使用法 | AEDの使用方法(ビデオ等) | |||
指導者による使用法の呈示 | ||||
AEDの実技要領 | ||||
異物除去法 | 異物除去要領 | |||
効果確認 | 心肺蘇生法の効果確認(一人法) | |||
止血法 | 直接圧迫止血法 | |||
止血帯法 | ||||
合計時間 | 180 |
別表第1の2(第4関係) 普通救命講習Ⅱ
1 到達目標 | 1 心肺蘇生法一人法及び大出血時の止血法が、救急車が現場到着するのに要する時間程度できる。 2 自動体外式除細動器(AED)について理解し、正しく使用できる。 |
2 標準的な実施要領 | 1 講習については、実習を主体とする。 2 1クラスの受講者数の標準は、30名程度とする。 3 訓練用資機材一式に対して受講者は5名以内とすることが望ましい。 4 指導者1名に対して受講者は10名以内とすることが望ましい。 |
項目 | 細目 | 時間(分) | ||
応急手当の重要性 | 応急手当の目的・必要性等 | 15 | ||
救命に必要な応急手当(成人に対する方法) | 心肺蘇生法 | 基本的心肺蘇生法(実技) | 意識の確認、通報、気道確保要領 | 165 |
呼気吹き込み人工呼吸法 | ||||
循環のサインと心臓マッサージ要領 | ||||
シナリオに対応した心肺蘇生法(一人法) | ||||
AEDの使用法 | AEDの使用方法(ビデオ等) | |||
指導者による使用法の呈示 | ||||
AEDの実技要領 | ||||
異物除去法 | 異物除去要領 | |||
効果確認 | 心肺蘇生法の効果確認(一人法) | |||
止血法 | 直接圧迫止血法 | |||
止血帯法 | ||||
心肺蘇生法に関する知識の確認(筆記試験) | 知識の確認 | 60 | ||
心肺蘇生法に関する実技の評価(実技試験) | シナリオを使用した実技の評価 | |||
合計時間 | 240 |
備考 | 1 普通救命講習Ⅱは、業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し応急の対応をすることが期待・想定される者を対象とすること。 2 筆記試験及び実技試験については、客観的評価を行い、原則として80%以上を理解できたことを合格の目安とすること。 3 2年から3年間隔での定期的な再講習を行うこと。 |
別表第2(第4関係) 上級救命講習
1 到達目標 | 1 心肺蘇生法一人法及び二人法、大出血時の止血法が、救急車が現場到着するのに要する時間程度できる。 2 自動体外式除細動器(AED)について理解し、正しく使用できる。 3 傷病者管理法、副子固定法、熱傷の手当、搬送法を習得する。 |
2 標準的な実施要領 | 1 講習については、実習を主体とする。 2 1クラスの受講者数の標準は、30名程度とする。 3 訓練用資機材一式に対して受講者は5名以内とすることが望ましい。 4 指導者1名に対して受講者は10名以内とすることが望ましい。 |
項目 | 細目 | 時間(分) | ||
応急手当の重要性 | 応急手当の目的・必要性 等 | 15 | ||
救命に必要な応急手当(成人、小児、乳児、新生児に対する方法) | 心肺蘇生法 | 基本的心肺蘇生法(実技) | 意識の確認、通報、気道確保要領 | 285 |
呼気吹き込み人工呼吸法 | ||||
循環のサインと心臓マッサージ要領 | ||||
シナリオに対応した心肺蘇生法(一人法・二人法) | ||||
AEDの使用法(成人に対する方法) | AEDの使用方法(ビデオ等) | |||
指導者による使用法の呈示 | ||||
AEDの実技要領 | ||||
異物除去法 | 異物除去要領 | |||
効果確認 | 心肺蘇生法の効果確認(一人法・二人法) | |||
止血法 | 直接圧迫止血法 | |||
止血帯法 | ||||
心肺蘇生法に関する知識の確認(筆記試験) | 知識の確認 | 60 | ||
心肺蘇生法に関する実技の評価(実技試験) | シナリオを使用した実技の評価 | |||
その他の応急手当 | 傷病者管理法 | 衣類の緊縛解除 | 120 | |
保温法 | ||||
体位管理 | ||||
外傷の手当要領 | 包帯法 | |||
副子固定法 | ||||
熱傷の手当 | ||||
搬送法 | 搬送の方法 | |||
担架搬送法 | ||||
応急担架作成法 | ||||
合計時間 | 480 |
備考 | 1 上級救命講習は、業務の内容や活動領域の性格から一定の頻度で心停止者に対し応急の対応をすることが期待・想定される者も対象とし、この場合、2年から3年間隔での定期的な再講習を行うこと。 2 筆記試験及び実技試験については、客観的評価を行い、原則として80%以上を理解できたことを合格の目安とすること。 |
別表第3(第6、第7関係) 応急手当指導員講習Ⅰ
項目 | 時間(分) | ||
指導要領 | 指導技法 | 60 | 435 |
救命に必要な応急手当の指導要領(心肺蘇生法に関する知識の確認(筆記試験)、心肺蘇生法の指導に関する実技の評価(実技試験)を含む) | 240 | ||
その他の応急手当の指導要領 | 90 | ||
各種手当の組み合わせ・応用の指導要領 | 45 | ||
効果測定・指導内容に関する質疑への対応 | 45 | ||
合計時間 | 480 |
(注)
・「救命に必要な応急手当」とは、心肺蘇生法、止血法(感染防止を含む)を意味する。
・「その他の応急手当」とは、傷病者管理法、外傷の手当要領、搬送法を意味する。
別表第4(第6、第7関係) 応急手当指導員講習Ⅱ
項目 | 時間(分) | ||
基礎的な知識技能 | 基礎知識(講義) | 60 | 480 |
救命に必要な応急手当の基礎実技 | 240 | ||
その他の応急手当の基礎実技 | 180 | ||
指導要領 | 基礎医学・資機材の取扱い要領・指導技法 | 240 | 840 |
救命に必要な応急手当の指導要領(心肺蘇生法に関する知識の確認(筆記試験)、心肺蘇生法の指導に関する実技の評価(実技試験)を含む) | 300 | ||
その他の応急手当の指導要領 | 180 | ||
各種手当の組み合わせ・応用の指導要領 | 120 | ||
効果測定・指導内容に関する質疑への対応 | 120 | ||
合計時間 | 1,440 |
(注)
・「基礎知識(講義)」とは、応急手当指導員(普及員)認定制度、応急手当の重要性、応急手当の対象者等に関する知識を意味する。
・「基礎医学」とは、解剖・生理学、感染防止を意味する。
・「救命に必要な応急手当」とは、心肺蘇生法、止血法(感染防止を含む)を意味する。
・「その他の応急手当」とは、傷病者管理法、外傷の手当要領、搬送法を意味する。
別表第5(第6、第7関係) 応急手当指導員講習Ⅲ
項目 | 時間(分) | ||
基礎的な知識技能 | 基礎知識(講義) | 60 | 180 |
救命に必要な応急手当の基礎実技 | 60 | ||
その他の応急手当の基礎実技 | 60 | ||
指導要領 | 基礎医学・資機材の取扱い要領・指導技法 | 60 | 660 |
救命に必要な応急手当の指導要領(心肺蘇生法に関する知識の確認(筆記試験)、心肺蘇生法の指導に関する実技の評価(実技試験)を含む) | 300 | ||
その他の応急手当の指導要領 | 180 | ||
各種手当の組み合わせ・応用の指導要領 | 120 | ||
効果測定・指導内容に関する質疑への対応 | 120 | ||
合計時間 | 960 |
(注)
・「基礎知識(講義)」とは、応急手当指導員(普及員)認定制度、応急手当の重要性、応急手当の対象者等に関する知識を意味する。
・「基礎医学」とは、解剖・生理学、感染防止を意味する。
・「救命に必要な応急手当」とは、心肺蘇生法、止血法(感染防止を含む)を意味する。
・「その他の応急手当」とは、傷病者管理法、外傷の手当要領、搬送法を意味する。
別表第6(第6、第7関係) 応急手当普及員講習Ⅰ
項目 |
| 時間(分) | |
基礎的な知識技能 | 基礎知識(講義) | 120 | 540 |
救命に必要な応急手当の基礎実技 | 240 | ||
その他の応急手当の基礎実技 | 180 | ||
指導要領 | 基礎医学・資機材の取扱い要領・指導技法 | 300 | 780 |
救命に必要な応急手当の指導要領(心肺蘇生法に関する知識の確認(筆記試験)、心肺蘇生法の指導に関する実技の評価(実技試験)を含む) | 360 | ||
各種手当の組み合わせ・応用の指導要領 | 120 | ||
効果測定・指導内容に関する質疑への対応 | 120 | ||
合計時間 | 1,440 |
(注)
・「基礎知識(講義)」とは、応急手当指導員(普及員)認定制度、応急手当の重要性、応急手当の対象者等に関する知識を意味する。
・「基礎医学」とは、解剖・生理学、感染防止を意味する。
・「救命に必要な応急手当」とは、心肺蘇生法、止血法(感染防止を含む)を意味する。
・「その他の応急手当」とは、傷病者管理法、外傷の手当要領、搬送法を意味する。
別表第7(第6、第7関係) 応急手当普及員講習Ⅱ
項目 | 時間(分) | |
指導要領 | 指導技法 | 60 |
救命に必要な応急手当の指導要領(心肺蘇生法に関する知識の確認(筆記試験)、心肺蘇生法の指導に関する実技の評価(実技試験)を含む) | 180 | |
合計時間 | 240 |
(注)
・「救命に必要な応急手当」とは、心肺蘇生法、止血法(感染防止を含む)を意味する。
・指導要領には、感染防止及び効果測定を含むものである。
別表第8(第9関係) 応急手当指導員再講習
項目 | 時間(分) |
救命に必要な応急手当の指導要領 | 120 |
その他の応急手当の指導要領 | 120 |
合計時間 | 240 |
備考 | 本講習は、応急手当指導技能の維持・向上を図るものである。 本講習においては、指導実技を実施させ、手順・要領が誤っているものについて重点指導する。また、想定課題に基づく指導要領について展示指導させ、誤っている部分について修正指導を行う。 |
(注)
・「救命に必要な応急手当」とは、心肺蘇生法、止血法(感染防止を含む)を意味する。
・「その他の応急手当」とは、傷病者管理法、外傷の手当要領、搬送法を意味する。
別表第9(第9関係) 応急手当普及員再講習
項目 | 時間(分) |
救命に必要な応急手当の指導要領 | 180 |
合計時間 | 180 |
備考 | 本講習は、応急手当指導技能の維持・向上を図るものである。 本講習においては、指導実技を実施させ、手順・要領が誤っているものについて重点指導する。また、想定課題に基づく指導要領について展示指導させ、誤っている部分について修正指導を行う。 |
(注)
・「救命に必要な応急手当」とは、心肺蘇生法、止血法(感染防止を含む)を意味する。