○海津市火災予防査察規程
平成30年4月1日
消防本部告示第1号
海津市火災予防査察規程(平成17年海津市消防本部訓令甲第28号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 査察の計画と執行(第9条―第21条)
第3章 資料提出等(第22条―第24条)
第4章 査察関係資料(第25条・第26条)
第5章 雑則(第27条―第30条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)及び海津市火災予防条例(平成17年海津市条例第145号。以下「条例」という。)に関する査察の実施に関し、必要な事項を定めるものとする。
(1) 査察 立入検査その他の方法(以下「立入検査等」という。)により、法及び条例に関する違反(違反でない状態又は行為で、行政上の措置を必要とするものを含む。以下「違反」という。)を発見し、関係者(法第5条に係る違反にあっては、工事の請負人又は現場管理者を含む。)又は違反が認められる行為を行った者(以下「関係者等」という。)に指導し、違反の是正を促すことをいう。
(2) 立入検査 法第4条又は第16条の5の規定により、消防対象物又は貯蔵所等に立ち入り、その位置、構造、設備及び管理の状況について検査又は関係のある者に対し、質問を行うことをいう。
(3) 違反処理 警告、命令、許可の取消し、承認の取消し、告発、代執行その他の方法により、違反の是正及び火災又は危険物の流出若しくは漏えい(以下「火災等」という。)の危険の排除を図るための行政上の措置をいう。
(4) 非特定防火対象物 消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)別表第1に掲げる防火対象物のうち特定防火対象物以外のものをいう。
(5) 査察対象物 防火対象物又は製造所等(危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)第6条第1項に規定する製造所等をいう。以下同じ。)のうち計画的に査察を実施するものとして、消防長が別に定めるものをいう。
(6) 特定違反対象物 防火対象物のうち、火災が発生したならば人命に危険を生ずると認められる防火管理上の違反があるもの又は消防用設備等、特殊消防用設備等、避難施設若しくは防火設備に違反があるもので、当該違反が消防長が別に定める違反事項(「特定違反」という。)に該当するものをいう。
(7) 本部査察員 査察業務に従事する消防本部員をいう。
(8) 署査察員 査察業務に従事する消防署員をいう。
(9) 査察員 本部査察員及び署査察員をいう。
(1) 予防課に属する査察員 消防対象物及び危険物施設等の査察及び違反処理
(2) 消防署に属する査察員 消防対象物(貯蔵所等を除く。)の査察及び違反処理
(査察の基本方針)
第4条 査察は、法及び条例に基づき、火災等の発生を未然に防ぎ、市民の生命、身体及び財産を火災等から保護することを目的として実施するものとする。
2 査察は、違反がある消防対象物及び火災等が発生した場合の人命に対する危険又は社会的影響の大きい消防対象物について重点的に実施するほか、効果的、かつ、効率的に行うものとする。
3 査察は、公正、かつ、公平に実施するものとする。
(査察の種別)
第5条 査察を次のように区分する。
(1) 特別査察 消防長が年度ごとの査察計画に基づき実施するものをいう。
(2) 一般査察 消防署長(以下「署長」という。)が年度ごとの査察計画に基づき実施するものをいう。
(3) 特命査察 消防長又は署長が必要と認めたときに査察対象物を指名して実施するものをいう。
(査察対象物の区分)
第6条 査察対象物を用途、規模等に応じて、別表第1に掲げる第1種A査察対象物、第1種B査察対象物、第2種A査察対象物、第2種B査察対象物、第3種査察対象物及び第4種A査察対象物、第4種B査察対象物、その他に区分する。
2 特別査察対象物と一般査察対象物の区分は、別表第2に掲げるものをいう。
(査察執行回数)
第7条 査察対象物に対する査察回数は、別表第3のとおり実施するものとする。
2 第5条の査察の結果が良好なもので、かつ、消防長及び署長が火災予防上支障がないと認める査察対象物の査察回数は、1の規定にかかわらず最大で2年を加算することができるものとする。
3 第5条第3号に基づき査察を実施したときは、当該査察を特別査察及び一般査察とみなして取り扱うものとする。
(査察の主体)
第8条 特別査察及び一般査察の主体は、次に掲げるところによる。
(1) 消防長は、本部査察員に対し特別査察対象物の査察を行わせるものとする。
(2) 署長は、署査察員に対し一般査察対象物の査察を行わせるものとする。
(3) 特命査察の主体は、査察対象物の規模、用途、火災危険性その他の状況に応じてその都度別に定めるものとする。
第2章 査察の計画と執行
(査察の実施計画及び報告)
第9条 消防長は、あらかじめ翌年度の一般査察の重点実施事項及び査察対象物を署長に示すものとする。
2 署長は、消防長が示した査察重点実施事項に基づき、査察計画を作成して、一般査察を実施するものとし、常にその進行管理に努めなければならない。
3 署長は、査察の結果を半期ごとに消防長へ報告するものとする。
4 消防長は、前項の規定にかかわらず、特に必要があると認めるときは、その都度署長に対し、査察の結果を報告させるものとする。
(査察事項)
第10条 査察を実施する消防対象物の状況に応じ、次に掲げるものの位置、構造、設備、管理の状況等について行うものとする。
(1) 建築物その他の工作物及び舟車
(2) 防火管理者、防災管理者、危険物取扱者、危険物保安監督者等の業務
(3) 消防計画及び予防規程
(4) 避難施設及び防火設備
(5) 防炎物品
(6) 火気使用設備及び器具
(7) 圧縮アセチレンガス、液化石油ガスその他火災等の対応上又は消火活動に重大な支障を生ずるおそれのある物質
(8) 少量危険物及び指定可燃物
(9) 消防用設備等及び特殊消防用設備等
(10) 消防用設備等及び特殊消防用設備等並びに防火対象物及び危険物製造所等の定期点検
(11) 電気、ガス、火薬類、放射性物質等の施設
(12) その他火災等の対応上必要と認める事項
2 前項に規定する査察事項は、法令に基づく届出、報告等により判断できるものについては省略し、又は項目を限定することができる。
(査察要領)
第11条 査察は、次に掲げる要領で実施するものとする。
(1) 査察は、事業所(同一の敷地内にあり、かつ、同一の管理権限に係る査察対象物がある当該場所をいう。以下同じ。)単位で行うものであり、2以上の査察対象物がある場合には第1項に定める査察事項を総合的に行うこととする。
(2) 査察は複数の査察員により執行することを原則とする。
(3) 査察執行に当たっては、査察執行準備メモ(別記第1)を活用し事前に検討を行い、査察の効率的執行を図るものとする。
(4) 共同住宅、下宿及び寄宿舎等の査察については、共用部分を重点に実施するものとし、個人の住居部分については、特に緊急の場合を除き行わないものとする。
(5) 査察に当たっては、必要に応じ図書及び査察器具を携行し、適正、かつ、綿密に行うこととする。
(査察の順守事項)
第12条 査察員は、常に関係法令その他査察に必要な知識の修得を図り、査察能力の向上に努めるとともに、査察に当たっては、法第4条及び第16条の5に規定によるほか、次に掲げる事項を守らなければならない。
(1) 関係者又はその代理人の立会いのもとに行うとともに、必要に応じ防火管理者又は危険物保安監督者等も併せて立ち会わせること。
(2) 言動を慎み公正、かつ、合理的に行うこと。
(3) 関係法令を順守し、個人の自由及び権利の不当な侵害を避けるとともに、関係者の民事的紛争に関与しないこと。
(4) 機器を作動させる場合は、関係者等に操作を求めること。
(事前通告)
第13条 法第4条第1項に定める立入検査等の事前通告は、必要に応じて口頭又は立入検査通告書(様式第1号)により行うものとする。
(査察の拒否等)
第14条 査察員は、正当な理由がなく立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者があった場合は、査察の主旨を説示し、なお応じない場合は査察を中止して、次に掲げる事項を記録の上、その旨上司に報告して指示を受けるものとする。
(1) 関係者等の氏名
(2) 立入検査の拒否理由
(3) 査察員の説明内容
2 第4種A査察対象物、第4種B査察対象物の査察における不備事項で、前項に規定する火災予防上特に重要と認める事項は、次のとおりとする。
(1) 消防用設備等未設置
(2) 少量危険物及び指定可燃物の未届出
(3) その他署長が重要と認める事項
2 消防長は、前項に定める本部査察員の査察結果の報告があったときは、署長に通知するものとする。
4 査察員は、回答書が提出された場合は、その内容を消防長等に報告しなければならない。
(本部査察員の派遣)
第17条 署長は、査察の執行に当たって必要があると認めるときは、消防長に本部査察員の派遣を要請することができる。
2 消防長は、前項に定める要請があったときは、その状況に応じた本部査察員を派遣するものとする。
(査察結果の履行確保)
第18条 査察員は、通知書により通知した違反が改善されるまで、関係者等に対して、指導その他必要な措置を継続して行うものとする。
2 査察員は、回答書が提出されない場合は、関係者等に対して提出を催促するものとする。
3 回答書には、改善(計画)年月日及び措置内容を記載するように指導するものとする。
(追跡査察)
第19条 消防長又は署長は、前条に定める履行確保のために必要があると認めるときは、当該査察対象物の違反実態の推移を確認し、又は違反の改善を促進するための査察(以下「追跡査察」という。)を行わなければならない。
3 消防長は、前項に定める本部査察員の追跡査察結果の報告があったときは署長に通知するものとする。
(2) 提出された回答書に記載された改善(計画)年月日までに特定違反の改善が完了していないと認められる場合
2 前項の規定により、勧告書を交付した関係者等に対しては、消防長等は、提出期限を定め、回答書により改善(計画)年月日及び措置内容の報告を求めるものとする。
3 勧告書を交付した場合の交付内容の履行確保については、第18条の規定を準用するものとする。
(違反処理への移行)
第21条 市長又は消防長等は、次の各号のいずれかに該当する場合は、海津市火災予防違反処理規程(平成17年海津市消防本部告示第3号。以下「違反処理規程」という。)の定めるところにより違反処理を行うものとする。ただし、消防吏員が覚知した違反事項が火災予防上猶予できないと認められる場合又は火災が発生したならば人命安全上猶予できないと認められる場合は、この限りでない。
(2) 前条第2項の規定により提出された回答書に記載された改善(計画)年月日までに特定違反の改善が完了していないと認められる場合
第3章 資料提出等
(資料提出命令等)
第22条 消防長又は署長は、火災予防のために必要があるときは、関係者に対して、任意の資料提出又は報告を求めることができる。
3 法第16条の5第1項に規定する資料提出、報告徴収及び収去については、海津市危険物規制規則(平成17年海津市規則第146号)第24条の規定により行うものとする。
3 保管した資料は、紛失、毀損等をしないよう保管するとともに、保管の必要がなくなったときは、保管書と引換えに当該資料を提出者に還付するものとする。この場合保管書に受領した旨奥書させるものとする。
第4章 査察関係資料
(査察対象物の実態把握及び情報提供)
第25条 消防長又は署長は、関係機関との連携を図り、査察対象物の実態把握に努めなければならない。
2 消防長等は、他法令に関する違反を発見した場合は、当該法令に関係する機関へ適切な方法により情報提供するものとする。
(査察台帳の整備)
第26条 消防長又は署長は、立入検査又は前条により把握した最新の査察対象物に関する情報について、消防情報支援システムに適正に記録し、管理しておかなければならない。
2 査察対象物は、原則として1事業所を1単位として防火対象物台帳等を作成するものとする。
3 査察対象物に関する情報については、防火対象物台帳については、査察対象物区分ごと次の図書等を整理して保存することとする。
(1) 第1種A査察対象物、第1種B査察対象物、第2種A査察対象物、第2種B査察対象物、第3種査察対象物
イ 事務処理経過一覧表(様式第15号)
(2) 第4種A査察対象物、第4種B査察対象物(少量危険物取扱所等、高圧ガス関係施設等及び署長が火災予防上危険と認めて指定したものは別に定める。)
ア 防火対象物台帳(様式第14号)
イ 査察状況記録表(様式第16号)
ウ 事務処理経過一覧表(様式第15号)
(3) 査察対象物共通図書等
ア 消防用設備等検査済証の写し
イ 消防用設備等の基準の特例適用通知書の写し
ウ 消防用設備等の工事計画届又は消防同意の写し
エ 建築図書等(付近見取図、配置図、立面図、断面図、平面図、消防用設備等の設備図等)
オ その他必要と認められる図書
4 防火対象物台帳等は、本部予防課において維持管理するものとする。
5 危険物製造所等に係る台帳の整備については別に定める。
第5章 雑則
(火災等発生防火対象物の状況報告)
第27条 署長又は予防課長は、次に掲げる事案が発生した場合には、速やかにその状況を消防長に報告するものとする。
(1) 法令違反又は特異な使用方法等が原因で火災が発生し、又は拡大した火災
(2) 特異な火災、事故等で現行法令、基準等の見直しを要すると認められるもの
(3) その他署長又は予防課長が必要と認めるもの
2 消防長は、前項に定めるもののほか、火災予防上必要と認めたときは、署長に報告を求めることができる。
(結果報告等)
第28条 消防長又は署長は、第5条の規定による査察の実施状況を、毎月初めに確認し、必要な措置を講ずるものとする。
(査察に関する事務等に関する照会)
第29条 署長は、民事訴訟法(平成8年法律第109号)、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)及び弁護士法(昭和24年法律第205号)に基づき、官公署又は弁護士会から査察に関する事務等について照会を受けたときは、回答事項に照会書を添付して消防長の承認を得なければならない。
(補則)
第30条 この訓令の施行に関し、必要な事項は、別に定める。
附則
この訓令は、平成30年4月1日から施行する。
附則(令和4年4月1日消本告示第1号)
1 この告示は、令和4年4月1日から施行する。
2 この告示の施行の際現に作成されている用紙は、この告示の規程にかかわらず、当分の間、使用することができる。
別表第1(第2条、第6条関係)
区分 | 用途・規模等 |
第1種A査察対象物 | 令別表第1に掲げる防火対象物のうち(6)項に属する防火対象物で防火管理者の選任義務があり、かつ、自動火災報知設備の設置義務があるもの |
第1種B査察対象物 | 第1種A査察対象物以外の特定防火対象物で防火管理者の選任義務があり、かつ、自動火災報知設備の設置義務があるもの |
第2種A査察対象物 | 非特定防火対象物で防火管理者の選任義務があり、かつ、自動火災報知設備の設置義務があるもの |
第2種B査察対象物 | 危険物製造所等(予防規程の制定義務のあるもの) |
第3種査察対象物 | (1) 第1種、第2種査察対象物以外の査察対象物で自動火災報知設備の設置義務があるもの (2) 第2種B査察対象物以外の危険物製造所等 |
第4種A査察対象物 | (1) 第1種、第2種、第3種査察対象物以外の特定防火対象物の査察対象物で防火管理者の選任義務があるもの、又は消火器具の設置義務があるもの (2) 少量危険物取扱所等(一般住宅設置を除く) (3) 高圧ガス関係施設等 (4) 署長が火災予防上危険と認めて指定したもの |
第4種B査察対象物 | (1) 第1種、第2種、第3種査察対象物以外の非特定防火対象物の査察対象物で防火管理者の選任義務があるもの、又は消火器具の設置義務があるもの (2) 少量危険物取扱所等(一般住宅設置を除く) (3) 高圧ガス関係施設等 (4) 署長が火災予防上危険と認めて指定したもの |
備考
1 防火管理者の選任義務があるものとは、法第8条の規定の適用を受けるものをいう。
2 自動火災報知設備の設置義務があるものとは、令第21条の規定の適用を受けるものをいう。
3 消火器具の設置義務があるものとは、令第10条の規定の適用を受けるものをいう。
4 少量危険物取扱所等とは、危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号。以下「危政令」という。)別表第3に規定する数量の5分の1以上指定数量未満の危険物又は危政令別表第4に規定する数量以上の指定可燃物を貯蔵し又は取り扱う場所をいう。
5 高圧ガス関係施設等とは、危政令第1条の10に規定する数量以上の圧縮アセチレンガス、無水硫酸、液化石油ガス、生石灰、毒物若しくは劇物を貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。
6 同一敷地内に同一の管理権原に係る複数の査察対象物が存する場合にあってはこれを同一の査察対象物とみなして取り扱うものとする。
7 令別表第1(5)項ロに掲げる防火対象物で、令第32条に基づき消防用設備等の設置義務に関する特例が適用されているものは、第4種査察対象物とする。
別表第2(第6条関係)
特別査察対象物 | 区分 | 用途・規模等 | ||||
A | 1 高層建築物 2 法第14条の2第1項の規定により予防規程を定めなければならない危険物製造所等を有する査察対象物 3 消防長が必要と認めたもの | |||||
B | A欄に掲げるもの以外のもの 1 第1種査察対象物のうち延べ面積が2,000m2以上のもの 2 第2種A査察対象物のうち延べ面積が6,000m2以上のもの | |||||
令別表第1(16)項に掲げる防火対象物で、同表(5)項ロの用途に供する部分が存する場合は、当該用途部分を除いた部分の延べ面積とする | ||||||
3 署長の要請により消防長が必要と認めたもの | ||||||
C | 1 火災発生時消火活動困難と認められる対象物 2 消防長及び署長が必要と認めたもの | |||||
D | 1 お千代保稲荷神社参道商店街 |
別表第3(第7条関係)
査察対象物の区分 | 査察回数 |
第1種A査察対象物 | 1年に1回以上 |
第1種B査察対象物 | 1年に1回以上 継続して違反のないものは2年に1回以上 |
第2種A査察対象物 | 1年に1回以上 継続して違反のないものは3年に1回以上 |
第2種B査察対象物 | 1年に1回以上 |
第3種査察対象物 | 3年に1回以上 継続して違反のないものは5年に1回以上 |
第4種A査察対象物 | 3年に1回以上 継続して違反のないものは5年に1回以上 |
第4種B査察対象物 | 5年に1回以上 継続して違反のないものは10年に1回以上 |
別表第2D欄 | 飲食店においては1年に1回 |
飲食店以外の店舗においては3年に1回 |