オニバスは、池や沼に自生するスイレン科の1年生水草であり、日本では、新潟県から鹿児島県までの低湿地の暖帯、熱帯に分布している。和名の鬼蓮は、ハスに似てとげがあることによる。
夏のわずかな期間に急速に成長し、種子の寿命が長いことと、生育の途中において葉の形が変わることなどで珍しい植物である。全身とげだらけで触れると痛く、また、大きい葉は堀や用水路をおおいつくし、田舟を用いていた水田耕作にとっては害草であった。一方、種子は食用となり、いって食べていた。
当地域においてオニバスは、昭和初期頃までは、めずらしい植物ではなかった。しかし、近年の土地改良事業によって、池や堀が埋められたことにより絶滅の心配がある。
種子は、初夏に水温が上がると水底で発芽する。
やがて、泥の中に細かい根を広げ、長い根生する葉柄によって水面に大きな丸い葉を広げる。このとき、初めに出てくる葉の形は、やじり型で葉にさけめが見られるが、次第に丸みをおびてくる。
葉は、大きいもので2mを超えるものもある。また、葉脈も発達し、そこからとげが発生する。
花は径4cm程の大きさになり、昼間開いて夜閉じ、受粉後水中に沈む。熟してふくらんだ子房は、水面近くに浮き上がって割れる。
一つの果実から80個ほど種子を放出する。種子は、表面の皮のはたらきでしばらく浮いて散らばる。その後皮が腐って、浮く力がなくなり沈む。
オニバスは「アクアワールド水郷パークセンター外部リンク」でご覧頂けます。
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