中日本高速道路株式会社が、東海環状自動車道養老トンネルの掘削工事に伴い発生した土壌を自主的に調査したところ、土壌環境基準を超えるセレンおよびヒ素が検出されたため、本日(2月10日)、同社から西濃県事務所を通じて市へ報告がありましたのでお知らせします。
海津市南濃町庭田字北谷地内(養老トンネル内)
項目 | 調査検体数 | 基準超過検体数 | 調査結果 | 土壌溶出量基準 | 最大基準超過倍率 |
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セレン | 2 | 1 | 0.010mg/L未満~0.018mg/L | 0.01mg/L以下 | 1.8倍 |
ヒ素 | 2 | 2 | 0.040mg/L未満~0.056mg/L | 0.01mg/L以下 | 5.6倍 |
※養老トンネル東坑口から1,466m~1,468mの区間。
※その他の物質についても調査を実施していますが、基準超過はありません。
自然由来による汚染の可能性が高いと考えられますが、現時点で原因は不明です。なお、周辺地域には、セレンまたはヒ素を原料に使用する工場・事業場はありません。
「岐阜県地下水の適正管理および汚染対策に関する要綱」に基づき、養老トンネルの基準超過地点から三重県いなべ市境までの区間(約700m)において、半径80mの範囲を調査したところ、井戸がないことを確認しているため、周辺の地下水調査は実施しません。なお、ヒ素については、初回の報告があった令和4年12月に、基準超過地点から三重県いなべ市境の区間(約2キロメートル)において、半径250mの範囲内の井戸水の利用状況調査を実施し、井戸がないことを確認しています。
環境基準を超過した土壌の適正な管理等を行うよう指導します。
◎【セレン】
「セレン」は、コピー機の感光ドラムや太陽電池の他、ガラスや陶磁器などの赤、ピンク、橙黄色の着色剤や顔料等にも用いられています。セレンは、人にとって必須元素とされていますが、過剰な摂取は健康に影響を与えます。汚染された水を長期間飲用するような場合を除いて、飲み水などを通じて口から取り込むことによる人の健康への影響は小さいと考えられます。また、セレンは、地殻の表層部には重量比で 0.000010.00001%程度存在し、環境中への排出は、人為的な排出のほか、火山の噴火など天然由来によるものが考えられます。
◎【ヒ素 】
「ヒ素」は、金属と非金属の両方の性質を持つ半金属元素であり、合金の添加剤(硬さを高めるため)、半導体の原料、ガラスの消泡剤や脱色剤、花火の着火剤、塗料用の顔料、木材の防腐剤等に使用されています。また、ヒ素は、地殻の表層部には重量比で 0.0005%存在し、水中や土壌中、岩石、大気中に広く存在しています。ヒ素に汚染された井戸水の飲用による慢性の中毒症状としては、皮膚の角質化や色素沈着等が報告されています。
※参考:化学物質ファクトシート-2012年版-(環境省発行)
◎【土壌溶出量基準】
土壌に含まれる有害物質を、地下水等を経由して摂取することによるリスクを想定して設定した基準。
市民生活部 生活・環境課
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